大地の目的



立ち止まる群衆の中
君は一人、
青い顔をして歩いていた

冷たい安全な部屋で
逃げるように座り込んで
必要もなく息をひそめ
今日になってしまった明日に
何度も待ったをかけて

冬の長い安全な町で
毎日ぐずぐずと生きていること
途方もないとは言えない、
それでも充分に与えられた未来に
虚ろな希望を指し示すこと

君も僕も傷ついたまま
今日もゆっくりとバスは曲がる

それでも
ライオンたちが
かわいい子供を持てますように
やさしい人たちが
いつでも家に帰れますように
汚れた心は
何度でも洗い流せますように
シマウマたちが
いっときでも安らかに眠れますように

僕は一人、
立ち止まる群衆の中

砂も潮風も
川も水鳥も
雪も針葉樹も
みんな帰れますよう





090927